|
|
UVプロセスは主に以下のような構成で成立っています。
(1)光源
UVプロセスに利用する紫外線は、以下のようなものがあります。目的に応じて最適な光源を選択しプロセスを構築します。
UVランプ |
用途 |
主波長 |
高圧水銀 ランプ |
硬化、乾燥、接着 |
365nm |
メタルハライド ランプ |
硬化、乾燥、接着 |
365nm |
低圧水銀 殺菌用 ランプ |
殺菌 |
254nm |
低圧水銀 洗浄・改質用 ランプ |
洗浄、改質 |
185nm, 254nm |
エキシマ ランプ |
洗浄、改質 |
172nm |
○各種光源の分光エネルギー分布特性
(2)照射装置
照射装置は反射板や冷却装置により構成されており、目的に応じた設計をします。
反射板形状
集光型 |
平行光型 |
集光点使用 |
集光拡散点使用 |
|
|
|
断面形状は楕円面で構成されています。集光点で使用しますと強度の強い紫外線を照射します。集光点よりも離して使用しますと拡散光となり比較的均一に照射されます。 |
断面形状は放物面で構成されます。被照射面に広い範囲で均一に紫外線が照射されます。 |
反射板の種類・低温キュアーシステム
アルミミラー |
反射率の高い高純度アルミ製の反射板を使用しており、紫外線及び熱線を効率よく反射させます。 |
コールドミラー |
正確に設計されたガラス成形板に数種類の金属化合物の薄膜を蒸着したコールドミラー。紫外線を効率よく反射し、UV硬化にほとんど寄与しない可視光線及び赤外線をミラー後方に透過します。 |
コールドミラー
+
熱線カットフィルター |
コールドミラーと熱線カットフィルター(必要な紫外線を透過させ可視光線及び赤外線を反射します。)を併用し、さらに低温硬化が必要なワークに使用します。 |
コールドミラー
+
送風
+
(熱線カットフィルター ) |
送風を行ないワークの温度上昇をおさえる方式です。送風する風量により、上昇する温度も変わってきます。熱線カットフィルターと組み合わせますと、さらに温度は下がります。 |
|
↑このページの先頭へ |
|
※※オゾンの発生について※※
UVプロセスにおいて有用な短波長の紫外線は、一方ではオゾンの発生源でもあります。オゾンに対する対策は以下のように考えます。
(1)スタンダードランプ+排気システム(屋外)
(2)オゾンレスランプ(処理効率が悪くなりますが屋外排気ができない時に検討します。)
【生体への影響】
オゾン濃度別の人体への影響
オゾン濃度
(ppm) |
人体への影響 |
0.02
〜 0.05 |
特有のにおいがわかる。(数秒で) |
0.06 |
慢性肺疾患感謝の換気能影響なし。 |
0.1
〜 0.3 |
鼻、のどに刺激がある。(数秒〜数十分で)
ぜんそく感謝の発作回数の上昇あり。 |
0.23 |
オゾン発生職場労働者に慢性気管支炎などの有症率が増加。(数時間の暴露) |
0.6
〜 0.8 |
せき、呼吸困難、気道抵抗の増加、肺ガズ交換機能の低下。(2時間で) |
1
〜 2 |
疲労感、頭痛。(1〜2時間で) |
10 |
呼吸困難、肺水腫、昏睡状態。(数十分で) |
15
〜 20 |
肺水腫で死亡することもある。(約2時間で) |
1000以上 |
数分で死亡がおきる。 |
【環境基準値】
・環境基準:
光化学オキシダントとして1時間平均値が0.06ppm以下であること。この値をオゾン濃度に変換すると約0.05ppm程度。
・作業環境基準(勧告許容限界):
作業環境基準とは、1日につき6時間反復暴露しても健康に影響を及ぼさないと考えられる濃度に定められている。
日本:0.1ppmまたは0.2g/m3
米国:0.1ppm
【参考文献】
・佐藤:光線過敏症、東京出版(1983)
・日本作業環境測定協会:ACGIH化学物質と環境因子のTLV(1990)
・溝口勲:オゾンの毒性と安全性 黎明学会誌、AR-77-4(1977)
・環境庁告示第47号(1973)
|
↑このページの先頭へ |
|
|